芸能人のカレシ
ディスプレイを見つめるママの頬が緩んでる。

千裕さんからの電話だとすぐに分かった。

「もしもし……うん…愛してる……うん…うん…どこ……分かった、行くね」

2人は愛してると言い合うのが好きらしい。
二人とも穏やかな顔をして、ラテン系なのだろうか。

電話を終えると、ママはDVDを止めた。

「千裕君とご飯を食べに行くからね」

「行ってらっしゃい」

「優季も一緒よ」

「え?」

「みんなでご飯を食べるんだって」

ふふっとママは笑う。

マジッすか……。
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