唄に願いを
「純輝ー!こっちこっちー」
店に入るなり聞こえた声。
純はその声に気付くと席に向かった。
「よお!いきなりごめんな?」
「いいよー。どうせ暇だったし」
席には二人の女子高生。
青陵高校の制服を着ている。
俺らの学校から駅5個先にある高校だ。
なんでそんな奴と知り合いなんだ?
って、そんなことはどうでもいい。
俺は座ろうとしている純の首根っこを掴んで端によった。
「なんだよー」
「なんだよ、じゃねぇよ。何かと思えば女かよ」
「だって平凡な毎日嫌なんだろ?刺激的な恋がしたい!!純輝様、助けて!!って、目をしてたから近くにいた子と合流したんじゃん」
「お前は…。てめぇのイカれた女好きと俺を一緒にすんなよ。俺はただ平凡だっ「ま、いいから座ろうぜっ。せっかく来たんだし!!」
そういうと純は俺を力ずくで座らせた。
はぁ…こいつ、本当に一回死んだ方がいいと思う。
「これ、俺の友達の桐原廉(きりはら れん)。寂しい奴だから構ってあげて」
「誰が寂しい奴だ。お前と一緒にすんな」
そういって一発頭を叩くと二人が笑った。
「あたし、マミだよ。よろしく、廉くん」
「うちレイカっていうの。初めましてー」
「ちなみに俺は松山純輝!!純輝様って呼んでもいいぜ」
「誰も呼ばないし(笑)」
「うわっ!冷たいー」
純輝はさっそく二人と
話始めた。
さすが女好き。
「ねー、廉くんてあんま喋んないの??」
レイカが俺を見る。
「なんで?」
「だって喋ってないじゃん」
「それは純がかなり喋るから。俺だって喋るよ?」
「あー、純輝お喋りだもんね」
「お喋りで何が悪い!お喋りは俺の長所だ」
結局、俺達は夜の7時まで
お互いの話で盛り上がって
店に居座っていた。