君の笑顔に…
「わ~ってるよ。ほら行くぞ、滝原」
朝、わたしを避けて壊れた自転車を押しながら、アイツは先に行ってしまう


「う、うん」




………
2人で歩くけど会話は全く無い

だって、2人になるとまた悲しそうな顔してるのかな?とか考えて、なんて言ったらいいのかわかんないんだもん



………

あと10分くらいで家というところで、沈黙を破ったのはアイツだった



「…今日は悪かったな、バカにして。」

「ふぇっ!?」
想像もしてなかった言葉に声がうらがえってしまった


「だから悪かったって」



「いや、あ、あたしの方こそゴメン。いろいろ言っちゃって。それに朝も…」


壊れた自転車に目がいく


「ん?あぁ、これか。気にすんなよ、お前もオレもケガ無かったんだし」



「でも…」




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