DESTINY-忘れられない人-
彼との出会い
あいつと最初に会ったのは……
◆◆◆◆◆
高校の先生に反抗して、授業中に学校を抜け出した。
暑い夏の日。
行くあてはない。
家に帰る気もしない。
どうしてだろう。
私には居場所がない。
そんな気がしていた。
友達に裏切られることが多かった。
だから、人を信じることができない。
言い訳かも知れないけど、
もっといい出会いがあれば、私もこうはならなかったはず。
「奈美~!またサボリ?」
遅刻してきたクラスの女子が、帰ろうとする私に話しかけた。
「もうだるいから」
適当に答えて、目も合わさずに背を向けた。