DESTINY-忘れられない人-
暑い暑い夏。
まぶしくて、目をあけることもできないくらい。
うるさいセミの鳴き声が余計にイライラを大きくする。
「どこ行くの?一緒に遊びに行かない?」
同じクラスっていうだけで、特に仲が良かったわけじゃない。
名前は理恵子。
「別にいいけど」
行くあてのなかった私は、理恵子の誘いに乗った。
普段なら絶対断るのに。
今日は暑くてイライラするから、どうでもいい気分だった。
「めちゃめちゃかっこいい先輩がいるんだけど、その人見に行かない?」
な~んだ。
ひとりで行き辛いから私を誘っただけ?
不機嫌になる私に、理恵子は一枚の写真を見せた。