不意に、見えない何かに腕をとられた。

あ、っと声を上げる間にも、それはぐいぐいと、私の体を霞の中へと引きずりこんでいく。

遠くから、誰かが私を呼ぶ声が聞こえる。


視界一杯に広がる、白の眩しさに目を細め、先に目を凝らす。


うっすらと何かの影が見えて、誘われるように、目一杯腕を伸ばした。






……そこで






夢は、終わった。



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