守ってあげたい 〜伝染〜
「そっか……」

無言で晶は貴子の前に座った。

「私は貴方を信じてるわよ。世界中が敵になっても、お母さんと拓海は晶の見方だから。何があったか知らないけど言いたくないなら言わなくてもいいわ。でも誰かに助けて欲しくなったり相談したくなったら、お母さんの事思い出しなさい」

「……うん」

「わかったら髪乾かしなさい。熱っぽいでしょ?」

きっと貴子とて娘の様子が変なのが心配で仕方ないにちがいあるまい
。しかし自分を信用して無条件に愛してくれる母親に晶は胸がつまった。

「もう泣かないの。あなたももうすぐ二十歳なんだから」

「二十歳になっても子供だもん」

「それは当たり前でしょ。晶が50歳になっても私から見れば子供だわ」


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