守ってあげたい 〜伝染〜
(だったら聞くなよ)

「車種とかナンバーとかは覚えてないですか?」

「車種?もしかして逃げちゃったんですか?」

「ええ、ひき逃げです」

「うそ」

てっきり運転手は警察で取り調べを受け、絞られている最中だと思った晶は少し驚いた。

「私は嘘は言いません」

(言葉の弾みじゃない、融通のきかない男だわ)

「ハイビームが凄く眩しかったのは覚えてますけど、車種までは……たしか白いセダンだったと思うけど。ナンバーは全く覚えていません」

「そうですか……あと現場にはブレーキ跡が全く無いんですが、その日のあなたの服装は黒でしたね?」

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