守ってあげたい 〜伝染〜
貴子の悲鳴にも似たようやく刑事は言葉を切った。

「もうやめて下さい……私が突き落としたとでも言うんですか?証拠はあるんですか?」

「いいえ、ありません」

「じゃあもう……」

「僕達は真実を探るのが仕事です。ご主人の死因には疑問があり警察は調べた。しかし残念ながら事故なのか事件なのか分かりませんでした……今日はここまでにします」

刑事は手帳を閉じると立ち上がった。
黙って貴子に頭を下げ背中をむける。

「残念です」

そう言残して刑事は立ち去っていった。







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