YOU
「あたし、あんたから啓を奪ってみせるから。」
・・・あぁ馬鹿らし。どうでもイイのに、そんなこと。
「あんたみたいなのと啓君がつりあうわけないしさ。」
「そだね~。啓かっこいいから。自慢の彼氏だし。」
にこり、と微笑んでかえすと莉乃は見切っていたかのように
「・・・想いあってもいないのに?」
知ってたんだね~。もうちょい鈍チンだと思ってた。
「あたしは啓が好き。啓もあたしの事好きだよ?」
「絶対に?」
「この世に"絶対"なんてないよ。あたし啓待つから行くわ。」
あ~あ。そんなに悔しいなら早く奪っちゃえばいいのに。
そんな風に思いながら部室へとむかった。