小さな心で

戦いの日々


そしてそれから私は仕事を始め、



希望の保育園も探し始めた。



しかし、何処も



「ガン」という事を告げると



「まだ小さいのに…可哀相に…」



と言うだけで、預かってはくれなかった。



そんな事で毎日忙しくしていると、



ある事に気がついた。



「あたし、希望のことお母さんに言ってないや…」



そしてその夜母に電話した。



「あのね、お母さん、希望、実は…ガンなの」



しばらくの沈黙。



私はいてもたってもいられず話し続けた。



「夫も、『ガンの子育てていく自信ない』って、家を出で行ったの。私今いっぱいいっぱいで、ずっと言ってなくてごめんね。」



「…あなた…それ1人で抱えてたの?」



「えっ…?」



涙声のお母さんにビックリする私。



「ずっと…1人で大変だったね…。これからは、お母さんにいっぱい頼っていいからね?」



母の優しい言葉に、私の頬には涙が伝った。



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