Damask Rose [短編集]
偽彼氏とアイツ
晴天。
昨日の雨が嘘みたい。
今日は普段履かない高さが高めのヒールをはいて、それから膝丈のワンピを着て表に出た。
「おはよう、柚」
玄関に寄りかかって待っていた壱也に挨拶を返して横に並んだ。
ヒール履いてるのにやっぱり背がは追いつかない。
「あんまり見ないでくれますか?今日の柚反則…」
自分の顔を手で覆って隠しながら、壱也がそう言った。
「えっ?何…どっかおかしいかな?」
「鈍すぎ…」
「何か言った?」
何でもないって壱也が言って話題を逸らした。
「早く行かないと湯本たちに悪いよ」
そう、今日は美砂ちゃんと長谷部君の4人で遊ぶの!
だからすごく楽しみ。
顔が綻んじゃう…。
「(あぁ、柚楽しそ…)」
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