Damask Rose [短編集]


☆壱也とはせやんの場合


野郎ばかりで退屈な体育の時間。


隣で準備体操をしている壱也が、声を抑えて言った。


「俺、昨日柚に告白した。で、付き合えることになったから」


「へー、おめでとう」なんて言葉で終わらせられる事じゃなくて、


「はっ?それ本気?冗談なら早くそう言えよ」


動かしていた体を止めて、壱也の方を向いた。


「本気。つか冗談なら自分が虚しいじゃん」


相変わらず壱也は体操を続けていた。


「だからはせやんもさ、早く湯本に気持ち伝えたら?」


余裕の笑みを浮かべて、壱也は言った。


「何で壱也が気にすんだよ?」


「二人がくっついたら、柚が喜ぶから」


あぁ、そうだった。
コイツの世界は…柚っちだけなんだ。







***+α***


(こらっ!長谷部サボるな)

(長谷部君が先生に怒られてる……気になる?美砂ちゃん)

(し、知らない…)

顔真っ赤〜♪
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