Damask Rose [短編集]
朝寝坊とフタリ
相変わらず壱也は朝がすごく弱い。
だから、壱也を起こすっていう私の日課はまだ続いている。
「壱也〜。早く起きてよ、遅刻なんて嫌だからね」
「ん……」
一度目を開けて、だけど直ぐにまた閉じて壱也は布団の中に潜った。
「もお、壱也ってば」
「柚…」
「きゃっ」
いきなり起きたかと思えば、今度は急に引っ張られて、そのまま壱也の目の前に倒れ込むかたちになっちゃった。
「捕まえた」
「ば、ばか…遅刻しちゃう」
「少しだけ」
そう言って先に壱也が目を閉じた。
「んんっ…」
長いキスをされて、少し頭がボーっとした。
「おはよ、柚」
「ん、おは…よ」
清々しい目覚めって感じの顔をしている壱也に、またキスされた…。
***+α***
(明日はもっと長いのに挑戦してみる?)
(えっ?!)
(あ〜、楽しみだな)
不適な笑み浮かべないで〜!