Damask Rose [短編集]
体を動かすのは好きだけど、今日は何だかダルい。
3時間目、さっきの授業で気持ちよく寝てたのに、
「起きろ、香坂」
って無理やり先生に起こされて、まだ頭がボーっとしている。
ダルさの原因はこれだ。
「おいおい、壱也!お前がやらねぇから青が負けてんじゃん」
そう言ったのは、同じ青いユニフォームを着ているはせやんだった。
ほらまたシュート入った。
まるで人事みたいにはせやんが言った。
自分だって動いてないじゃん。
こんな感じで適当にやっていたのが、まずかった。
「バカ!どこ投げて…」
あまりに耳に響く声に、思わずそっちを見た。
本当にどこ投げてんだ!あいつ…
「柚!」
必死に走ったけど追い付けるはずもなく、ボールは柚の頭に当たった。
「先生、保健室連れてく」
「お、おう。頼んだ!」
柚を持ち上げた瞬間、周囲からキャーなんて声が聞こえたけど、気にしない。
あまり柚を揺らさないように保健室へ急いだ。
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