ミラクル☆レイナ
「ねぇ、あれカズじゃない?」

そう言ったレイナちゃんの視線の先にいるのはカズくん―――…

その後ろ姿を見るだけで、何だか切ない気持ちになった

カズくんをじっと見つめたまま声を掛けないでいる私を見て、レイナちゃんは不思議そうに言った

「三和?声掛けないの?」

……私の家とカズくんの家はすぐ近くだ

だから、こうやって、学校の行き帰りに時たまカズくんを見掛ける事がある

同じ時に学校を出ても、カズくんは男の子で歩くのが早いから、気が付いたら、いつも私の目の前にいるんだ

私は、そんなカズくんの背中を見ているのが好きだった

でも、もう何年も声を掛けた事はない

「良いの……、こうやって見てるだけで……」

私は、前を歩くカズくんを見つめながら、そう答えた
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