SWEET SMILE
「何の本読んでんのかなー?」
あたしが、悪口に気にしないことがムカついたのか、
草野君を好きな女の子の一人である、杉山和美(杉山かずみ)があたしの読んでいた本を取り上げた。
「ちょっと!返して!」
あたしはすぐさま席から立ち上がり、杉山さんの手にかかげられている本を取り返そうとした。
164cmの杉山さんの身長に153cmの身長のあたしが、届くはずもなく、無駄な抵抗となる。
「てめー、しつけーんだよ!」
そう言って、杉山さんは、あたしを突き飛ばした。
ドンッ!
思いっきり突き飛ばされたあたしは、頭を床に打ち付けるのを悟った。
フワッ・・・!
・・・?
あたしの予想とは反対に、あたしの頭は打ち付けられることなく、体も誰かに支えられていた・・・。
ふと見上げると、
そこには・・・
まつ毛が長く丸でハーフのような顔つきに、筋の通った鼻。整った顔つきの男の子がいた。
あまりのかっこよさに動揺を隠せない。
「・・・痛って・・・教室入っといきなりこれだもんな・・・。お前突き飛ばされたみたいだけど、大丈夫か?」