母の心音(こころね)
最初は大学なんて雲の上の世界やと思ってな。明日食べる物も無かった時代やで、無我夢中やった。長女は結婚して孫も二人できて幸せやろ。本当にようやってくれたと思っとる。そしてな、家に独り居ると、当時のことをあれやこれと思い出すんや。四人の子供は世間の荒波にもまれて居るけど、誰も間違った道に行かなかった。それだけで満足なんや。親としてはな。これ以上の満足はないんや。子供等もようやってくれた」
成すまでは
及ばぬ道と思いしに
成せば成りにし今の喜び
成すまでは
及ばぬ道と思いしに
成せば成りにし今の喜び