幼なじみの彼と彼女〜大人編〜
『…ただ、一つ。
言いたい事がある』

多分、言う事は…

『まだ俺達は夫婦だからな。
こんな時間まで、何をしているやら…』

やっぱりねー!

「お前も…
梓が疲れて眠っていると考えればこんな時間に電話して来ないよな。
…少しは相手の事を考えろ。
梓はお前のオモチャじゃない」

目の前の梓は。

泣いていた。

…一体、この男は梓にどんな酷い事をしてきたんだ。

「とりあえず、明日、話し合おう。
…弁護士も連れて来ようか?
万が一、感情的になりすぎて大変な事になると俺は嫌だからね」

『…弁護士までいる?』

相手は嫌がる。

けど…

「どうせ、離婚の話もしないといけないんだろ?
養育費やら何やら口約束で曖昧にせずにきちんと公的有効な書類、作ってもらえよ。
弁護士費用なんか、要らないから、そいつは」

朝一で、あのヲタクに電話をしないとな…
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