幼なじみの彼と彼女〜大人編〜
だからヘアピンまで来てみたけど…

暑い。

私は帽子を深く被り直した。



「ママ、あれ、おじちゃん?」

先頭集団が見えたかと思うと翔は指さす。

ああ、確かにそう。

あのレーシングスーツにあのヘルメット。

レーシングスーツは昔いたチームのものではないけれど。

ヘルメットは多少、色が変わっているけど、デザインが一緒だった。

確かあれは。

祥ちゃんのお兄ちゃんと対になっているんだ。

もう、そんな事を知っているのは。

限られた人間しかいないだろうけど。
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