幼なじみの彼と彼女〜大人編〜
「祥太郎は何て言ってるの?」

その問いには私は首を横に振って

「何も…話を聞いてくれるだけで」

でも。

「それだけで十分です。
祥ちゃんには関係ない事だから」

総一さんはそうか、と言ったきり、しばらく黙っていた。



本当に。

こうして心配してくれる人がいるだけで。

私は幸せだった。



祥ちゃんに昔。

辛い思いをさせたのに。

それでも…こんなに…

たくさんの手を差し延べてくれる。



だから、自分で頑張ろうって思う。
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