幼なじみの彼と彼女〜大人編〜
レースが始まると私は祥ちゃんから貰ったパスでチームの特等席みたいな場所に入った。

門真一家と一緒なので。

少し安心した。

だって周りはチーム関係者ばかりで、私は場違いな気がして。



走行中の祥ちゃんは。

凄く落ち着いていた。

それほどタイムは出していない。

けれど。

朝のミーティングで

『最後の2時間は俺が走ります』

と宣言した、とは総一さんと話をしに来たチーム監督さん。

また、祥ちゃんの走りを見ていた総一さんの奥さん、真由ちゃんも監督さんが来る前にそんな事を言っていた。

みんなが見ていてもわかるくらい抑えた走りでも。

十分結果を出していた。
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