・・大切な場所・・
「那槻ー」
不意に掛けられた声に振り向くと、カウンターに愛美と修吾と湊が、手を振っていた。
「どうしたの?」
「頑張ってる姿、見に来たんだよ。」
修吾が、タバコに火を灯す。
「那槻、友達?」
カウンターの中に居た、田原がグラスを磨きながら、那槻に問い掛ける。
「あっ、はい。同じクラスの伊藤 愛美と代田 修吾と今川 湊です。」
3人は、軽く会釈をする。
「マネージャーの田原です。こちらが、店長の芳村です。」
芳村と田原は、一旦手を休め、カウンターの3人に名刺を出し、会釈をする。
「沢山、飲んで下さいね。」
芳村は、柔らかい笑顔を見せ、裏へと入って行く。