・・大切な場所・・
「お飲み物は、いかが致しますか?」
田原の問い掛けに、3人はビクッと肩を震わし、パラパラとメニューを捲る。
「アハハッ、緊張しなくても大丈夫だって。ここはBARだけど、従業員はフランクだから。」
「陽さん!!来てたんですね。」
「那槻、気付くの遅すぎ。那槻の友達なんでしょ?自分が、飲みたい物を頼んだらいいんだよ。」
3人は、展開の速さに付いていけず、キョトンとしている。
「こちら、日向 陽さん。常連のお客様。」
「どーも。あっ!!ビール飲める?」
3人は、顔を見合わせて頷く。
「じゃぁ、那槻。人数分のビール持って来て。乾杯するよ。」
「陽、相変わらず強引だなぁ…」
「マネージャー、サクッと乾杯した方が仲良く出来るって。ほらっ那槻、は~や~く。」
「あっ…はい!!」
慌ただしく裏に入って行く、那槻の後ろ姿を見送る。
陽は満足げに笑い、グラスに残っているビールをグィっと飲み干した。