シロ姫のお城

まず…この人誰?
なんでここにいるの?

「あ…ゴメンゴメン!俺、3年の北川 慎(キタガワ シン)。たまたまこの近く通りかかったらキレイな声が聞こえてきてさ♪」

「あっそ…」

こんな人と関わりたくない。
早くその手を離してよ。
あたしは手を離そうとした。
でも、慎はさっきよりも力を入れて握ってきた。

「…あのさぁ、俺らのバンドのボーカルやんね?」

バンドのボーカル!?
はぁぁぁ?
何言っちゃってんの!?この人。

「無理だから」

「いいからいいから~」

そりゃあ、音楽をやりたいとは思うけど…
人と一緒に音楽を作るなんて、あたしには無理。

「嫌だって言ってんの。分かんない?」

あたしは無理矢理手を振りほどいて、身長が180cm近くある慎を下から睨みつけてから、階段を下りた。

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