シロ姫のお城

次の日。
いつものように屋上に行こうとしたが、足を止めた。
慎がいるかもしれないから。
昨日、あの後「くそっ、女のくせに調子乗ってんじゃねーぞ!」とかなんとか言ってたような気がするし。

でも、家には帰りたくない。

家にいると、常に姉と比べられる。
1人でいることは別に辛くも何ともない。
でも、比較されるのは好きじゃない。
まあ、こんな格好をしてる自分のせいなんだけど。
変える気はないけどね。

…そして考えた結果、仕方なく家の近くの公園に行くことにした。
大きくも小さくもない、普通の公園。
ベンチやブランコは、子どもたちやカップル、お年寄りで埋まっている。

とりあえず大きな木に寄りかかって腕を組み、ため息をする。

…何をしようか。

暇すぎる。
こんなに人がいるところでは歌う気にもなれない。
しばらく、どうしようかと悩みながらボーっとしていた。

< 7 / 10 >

この作品をシェア

pagetop