--tear--
10分前に駅前に着いた。
真衣はまだ来ていない。
しばらく待っていたけど、真衣はなかな来なかった。
真衣のことだから、準備に時間がかかっているのだろう。
今まで何度も約束の時間を遅れたことがある。
今日もきっとそう。

「あれ~澪ちゃん?」
聞きなれた声…。
隆と大貴だった。
…2人もお祭りかな?
「もしかして真衣ちゃんと待ち合わせ?」
「うん。お祭り行く約束してて…。」
「まじ?俺らもだよ!」
大貴の言った一言に引っかかった。
…俺らも?ってことは一緒に行くってこと?
「そうなんだ。でも真衣遅れてるんだよね。」

3人で話していると後ろから足音が聞こえた。
「ごめ~ん。遅れた!」
派手なピンクの浴衣。
頭の上には大きなハイビスカスが咲いている。
つけまつげもバッチリ。
爪にはキラキラノラインストーン。
間違いなく真衣だ。
「も~遅いよ~。」
あたしが呆れた声言った。
「ごめんごめん。準備してたら遅れちゃって~。」
真衣は両手を合わせて頭を下げた。
これだけお洒落してれば、時間がかかるのも当然でしょ。
「ま、じゃあ行くか!」
隆が声をかけ、あたしたちはお祭りに向かった。


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