--tear--
あたしは今日から高校生になる。
新しい制服が妙に浮いていて、
だけどそれさえも新鮮だった。

「澪!」
大好きな親友の真衣があたしを呼んだ。
「おはよ!」
あたし達は小学生の頃からの大親友。
2人で同じ高校に入るために、
死ぬ物狂いで去年1年間頑張った。
今考えると、本当に頑張っていたと思う。

「クラス表見た?」
「まだ~、見に行こ!」
あたし達は昇降口に貼ってあるクラス表を見に行った。

「真衣~あたし3組!」
あたしは真衣に向って叫んだ。
「うっそ~、あたし8組だよ~。」
2人の顔は一瞬で暗くなった。
だって、今までずっと同じクラスだったのに…。
ショックのあまり涙がでそうになった。
しかも3組と8組は階が違う。
本当に最悪…。

「も~やだ~。」
真衣は幼い子供のように、半べそをかいていた。
「お弁当は絶対一緒に食べようね!」
あたしは励ますように言った。
「うん!約束!」
真衣は少し機嫌を取り戻した。
そしてあたし達は指切りをした。

ずっと親友だよ。

言葉に出さないけど、
そう心に誓った。
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