--tear--
第二章

優しさ

今日から新しい1年が始まる。
去年の今頃、まだ高校生が大人に見えていて、全てのことに胸を弾ませていた。
そんなあたしも高校2年生。
後輩ができて先輩になる。

「澪~クラス替え見に行こう!」
去年と同じ。
あたしと真衣は一緒にクラス替えを見に行った。

「…あたし4組だ!真衣は?」
「1組~!」

え・・・。
また離れた?

「うっそ~!また離れたの~?ありえない!」
あたし達は去年とほぼ同じ会話をしていた。
「てゆうか、大貴ともクラス違う~…。」
「大貴君何組?」
あたしが聞くと、真衣は少し低い声で言った。
「澪と一緒。」
明らかにすねてる?
てゆうか…不機嫌。
「澪ずる~い!!」
…完全にすねてる。
「大丈夫!あたしが良い見張り役だと思って!高宮君が浮気しないように見張っててあげるから~。」
慰めたつもりが、ますます不機嫌になった。
「大貴は浮気しないもん!」
「ごめんごめん!」
あたしは機嫌を直させるために必死に頑張った。

…女の子のやきもちって怖いんだな。
あたしはそういう感情知らないし。
まあ、縁のない話か…。

2年生になっても、あたしの恋に対する意識も相変わらずだった。
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