--tear--
昼休みになると、真衣が教室に来た。
「澪!屋上行こ!」
あたし達はお弁当箱を持って、屋上へと向かった。

真衣は屋上のドアの前に立つと、ポケットから鏡を取り出した。
「何やってんの?」
あたしが話しかけても無視。
必死に髪型を直していた。
たかが屋上に行くだけなのに…何で?

髪型を整え終えると、真衣はドアを開けて辺りを見回した。
「澪。あたしたち親友だよね?」
「何言ってんの?あたりまえじゃん。」
真衣はにこっと笑って言った。
「じゃあ、協力してよね!」

そう言って真衣は歩き出した。
向かった先は、男の子の前。
「すいません。高宮大貴君ですよね?」
真衣は可愛らしい声で尋ねた。
「そうですけど…?」
話しかけた男の子はいかにも好青年。
モテそうな感じだった。
それより…どっかで聞いたことのある名前…。
「よかったらアドおしえてください!」
「お~良いよ!」
真衣たちはアドを交換していた。
あたしはようやく気がついた。
真衣はこの人に会うためにここに来たんだ。

「よかったら弁当一緒に食べる?」
大貴の急な誘いに、真衣はもちろんOK。
「澪も一緒に食べよ!」
結局あたしは巻き添えになった。
本当にはめられた…。
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