--tear--
「ねぇ、何組?」
大貴の横にいた男の子が話しかけてきた。
「3組…。」
「俺は5組!遠藤愁。よろしくな!」
いかにもチャラ男ってかんじ。
あたしの一番嫌いなタイプだった。
「…よろしく。」
あたしは少し不機嫌そうに言った。
なのに相手はハイテンション。
最悪な一日だ…。

「お、卵焼き美味しそう!一個ちょ~だい!」
愁はあたしのお弁当箱から、卵焼きをつまんで口へ運んだ。
「うっめ~!まじ美味いんだけど!」
あたしは愁の図々しさに少しイラっとしたけど、お母さんの作った卵焼きを褒められて嬉しくなった。
「…あたしもお弁当のおかずで一番好きなの。」
あたしは少し笑みを浮かべて言った。
「こんだけ美味かったら好きになるよな!」
愁は満面の笑みで言った。
その笑顔を見て、愁の印象が少し良くなった。
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