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「ああ、そう言えば今日、拓也君が来たわよ。」

お母さんが言う。

「拓也?また営業とかで近くに来たの?」

拓也はわたしの同級生で、高校までずっと同じ学校に通っていた。

高校卒業と同時に企業に就職して、営業だとか言ってよくうちに遊びに来る。


「そうそう。不景気だし、お客さん少なくて大変みたいよー。」

「へえ、元気だった?」

「うんうん、でも彼女が欲しいんだって。」

「あー、拓也は恋愛経験なしだもんね。」

それはわたしもだけど。
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