SING
嫌な予感がする。


もしかして彼は、わたしのことを知っている?

わたしの、記憶を…?

それが何故、「嫌な」予感なのかはわからないけど。


突然、視界がすごい勢いで動いた。


しばらく混乱して、やって自分が抱き締められているとわかる。



『思い出してくれ。』

嫌な予感が確信に変わる。

そんな、頼まれて思い出すくらいだったら、とっくに思い出しているよ、と異常事態にも関わらず突っ込んでいる自分の冷静さにおどろいた。
< 24 / 170 >

この作品をシェア

pagetop