SING
そう決めたのに、


まだもやもやするのはなんでだろう。



ピンポーン。

玄関のベルが鳴った。

「あら、拓也君かしら。早いわねえ。」

まだ朝の十時だ。

相変わらず非常識なやつ。

「ヤヨイ、ちょっと出てくれる?」

「うん。」

引き受けながらも、少しドキドキした。

スーツ姿の拓也って、どんな感じなんだろう。

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