夢をみさせて
私は立ち上がり彼女から
ソレを取り上げじっと
見ました。
「こ…これ…」
「そう、城南高校の
文化祭の招待券」
麻友は私からまたチケットを
とりあげて言いました。
「行きたいやろ~?
ほしいやろ~?」
もしかしたら。
あの彼の。
「行きたいっ!」
私は思わず大声で
返事しました。
「理科部の楓(かえで)って
おるやん?
確か楓の彼氏って
城南高校やったよなぁって
思い出して前に招待券を
もらっといてって頼んでて
それを今もらいに行って・・・」
私は麻友が最後まで
しゃべり終わらないうちに
彼女に抱きついて
「ありがと~」
を連発していました。