夢をみさせて
同じ学校だから
当たり前のことなんだけれど。
そのうちケーキと紅茶が
運ばれてきました。
でも味なんかもう
わからなかったです。
無言で黙々と食べる私の
姿をみて麻友が察したのでしょう。
「愛乃、なに落ち込んでんの」
笑って声をかけてきたのですが
私は何も答えませんでした。
「彼、いたん?」
「…うん。でも」
それだけで精一杯。
私が何度も視線を向けて
いるほうに麻友も気づいたようで
「…カーテンの向こう?」
そうそっと私に声をかけました。