夢をみさせて

麻友の

「愛乃、どうしたん？
大丈夫？」

という声で我に返りました。


私は静かに

「なんもない」

とだけ答えました。




なんだかいろんなことが頭の中でぐるぐるして気分が悪くなってきました。


「…もう帰るわ」

それだけ言うのが精一杯でした。


さっきはそんなにショックじゃないって思っていたのに。

気分が悪くなるって
いうことはやっぱり
ショックだったのでしょうか。

麻友もそんな私にもう何も
言いませんでした。

「顔色悪いから途中まで
送っていくわ」