夢をみさせて
そして
思い出すのは
あの日。
彼と楽しそうに話をしていた彼女。
彼の隣にいる彼女。
「彼女がいる」
と思うことによって
それによって
諦めきれていないという
自分の考えを消して
しまいたかったんです。
私のこの気持ちは
きっと彼にとって
迷惑なものだから。
「もう!愛乃がそれなら
それでいいけどね。
でもいい加減、元気になってや」
麻友はまだなにか言いたげでしたが
ためいきの後、苦笑いしながら
私に言いました。