夢をみさせて
私は毎朝、

彼に会えるだけで
満足でした。

途中の駅で降りていく彼。


秋の風に黒い髪が
なびいてその姿が
とてもステキです。


こころの中で

「いってらっしゃい、
また明日」

私はそうつぶやくだけで
満足だったのです。



でも人間というのは
どこまでも
欲深いものです。


私は本当にそれだけで
満足だったのに


あることをきっかけに
もっと彼のことを知りたい、

彼に近づきたいと思うように
なりました。

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