夢をみさせて

彼を困らせてはいけない。


私は精一杯の声を
振り絞って

「違うんです…いいです。
私もういいですから」

やっとの思いでそう言いました。


「いや、俺もそんなに
急いで買わないといけないって
わけでもないから。
あ、とりあえず店員さんに
在庫あるか聞いてきます」

彼はそういい残すと慌てて店員さんを探しにその場を離れました。



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