夢をみさせて
私はぎゅっとつり革に
つかまりました。
そして無意識に
そっと彼のほうを
見ました。
彼は彼の近くにいた
おばあさんが
ふらついてこけそうに
なったところに手を
差し出していました。
そして聞こえたのは
彼の声でした。
「大丈夫ですか?」
「あぁ・・・ごめんなさいね、
ありがとう」
「いえ、どういたしまして」
彼は静かに答えました。
その彼の声は私の中に
すうっと入ってきました。
透き通るような低い声、
それでいてやさしい。
私はつり革をぎゅっと
握りしめたまま
彼の声を忘れないように
何度もこころの中で
反芻していました。
つかまりました。
そして無意識に
そっと彼のほうを
見ました。
彼は彼の近くにいた
おばあさんが
ふらついてこけそうに
なったところに手を
差し出していました。
そして聞こえたのは
彼の声でした。
「大丈夫ですか?」
「あぁ・・・ごめんなさいね、
ありがとう」
「いえ、どういたしまして」
彼は静かに答えました。
その彼の声は私の中に
すうっと入ってきました。
透き通るような低い声、
それでいてやさしい。
私はつり革をぎゅっと
握りしめたまま
彼の声を忘れないように
何度もこころの中で
反芻していました。