刹那【短編】
納得出来なかったのは
私の中に一つの期待があったから。
お兄ちゃんが帰って来たんじゃないかな?って
お兄ちゃんが助けてくれたんじゃないかな?って。
あの声は幻聴じゃなく
本当の声だったんじゃないかなって。
莉華はきっとなにか隠してる。
友達歴は短かった私達だけど
半端な気持ちで親友やってた訳じゃない。
だからこそ
嘘も隠し事も嫌!!
「ねぇ
莉華は何を隠してるの?
教えて?
お兄ちゃんのこと気遣ってんなら私は大丈夫だよ?
莉華が思ってるほどか弱い女の子じゃないからね!!」
そう言って私は莉華に力強く微笑んだ。