あの夏を忘れない
「ははははは。三人とも仲良いんだね。」






そう言って小田春貴は笑った。





色素が薄いのか色白の肌に茶色い髪の毛・茶色い瞳、そして整った顔立ち…。



小田春貴は華の好きな美少年そのものだった。







ボーっと小田春貴を眺める私に華はそっと耳打ちしてきた。



「早紀ちゃんには慎ちゃんがいるんだから小田くんは華に譲ってね!」





そう言ってイタズラそうに微笑む華はとても可愛いかった。




もともと可愛い上に人当たりもいい華は男女問わず人気があるのだ。






その華に見初められたら小田春貴も華に惹かれるに違いない…





ご愁傷様だこと…




悪い意味ではなく熱しやすく冷めやすい華は、相手が自分に振り向くと飽きてしまう傾向がある。




その生まれ持っての悪女っぷりにはさすがの私も口出しできない。





「うんうん。小田春貴には手を出さないから思う存分頑張って下さいな。」

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