あの夏を忘れない
「でね、春貴くんがね…」



「それで春貴くんったらね…」



「しかも春貴くんってさ…」








よくもあんな短時間でここまで話せたもんだと感心する。







結局時間も遅いし…とすぐに教室を出たもんだから、実質話をしたのなんて6ー2の教室(三階)からげた箱までの数分のはずなのに、帰り道の話題は小田春貴で大盛りあがりだった。







中川も大人しく華の話を聞き、驚いたり誉めたりと私より上手に華の相手をしてあげている。






中川も私なんかに付きまとうより華と一緒にいたほうがうまくいきそうなのに…。






自惚れているわけではないのだが中川は私に好意を持っている。







好かれているというよりは懐かれている感じだが…







五年生のキャンプのときに見てらんなくて世話をやいたところ、それ以来懐いているというか慕ってくるというか…まぁ愉快だし悪い気はしないんだけど。






華といるときのほうがよっぽど男の子に見える。














なんだか犬っころにしか見えないんだよなぁ…
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