あの夏を忘れない
「…って!早紀ちゃん聞いてるの!?」








「あぁ…ごめん。」







突然現実に引き戻された。








目の前ではぷんぷんと怒っている華が可愛いらしくむくれている。







ひととおり小田春貴熱をかましているといつのまにやらマンションの前に着いていたようだ。








「だから明日の放課後にまた春貴くんと遊ぶんだからね!明日は居残りしないように頑張るから早紀ちゃんも頑張るのよ!」










「私が一回たりとも居残りしたことがある?ってか明日で最後なんだから明日くらい居残りなしで夏休み迎えようよ。」







てへ。と華が舌を出して笑っている。







明日も残る気だったのだろうか…。







先生も大変だ。








「俺も明日は居残りないようにすっからさ。」








「あぁ…中川も小田春貴と遊ぶつもりなの?」








「…ひどぃ」







中川が地面に手をつき打ちひしがれている。







なんだか楽しそうなのでそのままほおっておく。








「じゃあ2人とも明日は頑張るんだょ!じゃあね!」







楽しそうに芸をする2人を残し、マンションのエントランスに入った。
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