あの夏を忘れない
「おかえりー。遅かったね。」






家には先に姉が帰っていた。







姉はジャージ姿でソファーに寝転がりゲームをしている。







夏休み前は中学生も大変だろうに。







冷蔵庫から麦茶を取り出しコップについだ。







「あ…早紀!私も麦茶入れて!」








態勢を変えることなくゲームをしながら姉が叫ぶ。








「はぃょ!」








ゴクゴクと麦茶を一杯飲み干すと、姉の分と自分の分を注ぎリビングに運んだ。







「はりはほぅ…」








姉は麦茶と一緒に氷をほおばりながらお礼を言った。








「どういたしまして。」








私はランドセルを置くために自分の部屋へ向かった。
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