あの夏を忘れない
「早紀ちゃーん。ご飯ょー!」








塾の宿題を終え、マンガを読んでいると母の声が廊下に響きわたった。







帰ってたんだ…







マンガを閉じるとイソイソとリビングに向かった。







「ほらほら…ご飯食べるわょ!」






「ただいまー」







狙ったように父も帰ってきて食卓についた。







「ねーお父さん!夏休みどこか行きたいよねぇ!」





「うーん…お盆休み3日間しかないからなぁ…」






「お母さんは水・土・日はお休みだけど…。でも有紀も早紀も塾毎日あるんでしょ!?」






「そっか…塾があったか…。ま、でも一回くらいいんじゃない?長い夏休み何か楽しいことがないとやってらんないじゃん?」







「早紀よりも有紀の方が心配なんだから!塾くらいじゃなくて勉強するのよ!」







夏休みは何もなしかぁ…







黙々とご飯を食べながら夏休みのことを考えた。
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