あの夏を忘れない
「…ったく」






図書室の本を適当に選び、手が止まった一冊を引き抜いた。




しっかりと本を読むわけでもなくパラパラとめくって元に戻す。





「華ったら本当いつ終わんだろっ!?」






ブツブツと独り言を言いながら新しい本にパラパラと目を通す。







めくっては閉じ、また新しい本を選んでは元に戻し…






本を読むと言うよりはただの暇つぶしをしていた。







と。そのとき。







ざわっ…









雑音が大きくなるとともにむっとした風が入ってきた。









誰かがきた!







ぱたりと本を閉じ、ドアを見た。


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