あの夏を忘れない
「あーやーしーいー」









いきなり聞こえてきた声に中川とともにびくっと固まる。








ゆっくりドアに目をやるとそこには居残り勉強が終わったらしい華の姿があった。












「華ぁ…びっくりさせないでょ…」







肩を落としながら華に言った。




中川に至っては涙目になっている。





「びっくりしーたーのー?」







してやったり!と得意そうに笑う華に涙目の中川が抗議をする。







「びっくりしたなんてもんじゃないょ!涙まででちゃったじゃないかっっっ!!!」







どこまでも情けない男だ…
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