あの夏を忘れない
「あはは。ごめん!ごめん!」







涙目の中川に明るく謝る華。









「でも慎ちゃんったら良い雰囲気だったじゃん♪早紀ちゃんとラブラブに見えたょっ♪」








そう言うと華は右手と左手でハートを作り私と中川を自分のハートの中に納めた。






「いやぁ…高橋に俺の秘めたる凄さを語ったらときめいてくれちゃってさ…。上村の知らない高橋って言うの?」





腕を組んで格好つける中川に冷ややかな視線を送る。







「へぇ…バイキンマンと戦う中川ってそんなに格好よかったんだ…」







「あはは。慎ちゃんったらバイキンマンとも戦えるの?本当に芸達者ね!」







コロコロと笑う華に、ショックの表情を隠しきれない中川。










「バイキンマンなんてひどい…。俺はせめて忍者と戦いたかった!!」











あまり大差ないと思うけど…



そんな言葉をぐっとこらえる。

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